
パリの空の下、やわらかな自然光に満たされる空間に、メシカのアトリエはあります。いたるところにフレッシュな淡いバラのブーケ。棚にはアートやファッションの写真集が並び、ヴァレリー・メシカの美意識の高さがしのばれます。使い込まれたグレーの作業台だけが、ここが聖なる場所なのだということを思い出させます。ここはメゾンのエスプリが形となる場所。オートクチュールのアトリエのように、15人の熟練職人がジュエリーを仕立てています。ハイジュエリーのネックレス、ロングネックレス、フルセットが完璧なシルエットを見せ、一人ひとりの女性の曲線美とごく自然にマッチします。
This is M

オートクチュール ジュエリー
オートクチュールは服を、ハイジュエリーはジュエリーを、最高の技術をもって仕立てる特別な世界です。アトリエは恍惚と魅惑の魔法をかける場所。布の世界はヴァレリー・メシカを魅了してやむことがありません。空気のような繊細さにシルクのような透明感。素材を素肌にまとった瞬間の心地よさについて妥協することなく、ダイヤモンドやゴールドといった極めて硬質な素材を用いてそこにたどりつこうとする、これはまさに百戦錬磨の職人だけが立ち向かうことのできる挑戦です。職人たちは素材を彫刻し、金属を裁断し、石を配し、身にまとうジュエリーを完成させていきます。オーダーメイドの聖域にはたえず驚きが満ちています。

ネックレス《カシミア》《アラビアンナイト》
合計116.6カラット、439個ものオーバルカットダイヤモンドが織りなす1枚のスカーフ。大小さまざまなダイヤモンドと2個のトライアングルカットの複雑なグラデーションが奏でる珠玉の作品。上下が巧みに絡み合い、まるでダイヤモンドで織った1枚の布を思わせる精緻さ。企画から制作まで、すべてメシカの職人の手によるものです。多くのダイヤモンドを互い違いに配し、これほどまでに調和の取れた作品は、完成まで800時間近い作業が費やされました。ヴァレリーがイメージしたのは肌の上をすべるやわらかなダイヤモンドの布。ひときわきらめく三角形のブローチがダイヤモンドの布をひとつにまとめ、全体を引き立てます。《アラビアンナイト》では、無数のダイヤモンドをちりばめたネックレス、ペンダントイヤリング、クレオール、ネオポルテのリングを、まるで夜空にきらめく星々のように飾ります。
イメージと不思議の世界は長い時間をかけて現実のものとなりました。おとぎの世界を内包するメシカの世界観は、ハイジュエリーメゾンの中でも別格の存在感を放っています。