ヴァレリー・メシカ インタビュー
2019年3月18日
バーゼルワールドの舞台裏で
ヴァレリー・メシカ インタビュー

3月21日から26日までバーゼルで開催される2019年バーゼルワールドを数日後に控えたヴァレリー・メシカ。メゾンの若き創設者はウォッチとジュエリーの国際展示会で最後の仕上げに余念がありません。その合間を縫って、情熱的かつ真摯にインタビューに答えてくれました。

This is M

メシカのようなブランドにとって、バーゼルワールドの重要性とは?

バーゼルワールドは毎年行われていますが、メシカには最も重要な展示会です。バーゼルは年に一度開かれる大きなミサみたいなもので、世界各地から関係者が一堂に会します(編集者注:およそ400)。バーゼルワールドは最新コレクションを発表し、インターナショナルなメディアに紹介できるまたとない場です。

2019年のハイジュエリーの新作について教えて下さい。

テーマはアメリカの砂漠。これまでに扱ったことのない木材やフェザーといった新しい素材に取り組みましたが、まさにこれは挑戦でした。また、かの地の光へのオマージュとしてホワイトゴールドではなく、イエローゴールドとピンクゴールドを多用することで、従来とは異なるアプローチを取りました。

そもそもの着想はどこから?

とくに確固としたイメージがあったわけではないのです。その点、砂漠は理想的なインスピレーション源で、私たちが求めていた、自然の中のミニマルで非常に洗練された面が得られました。砂漠は人を謙虚にします。その広さの前で人間がいかに小さな存在であり、自然と調和して生きることが大切かも示してくれます。この存在を超えたスケールを新作に落とし込みました。シンプルでチャーミングでしょう

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今年、メシカのエスプリを最もよく表すジュエリーは?お気に入りのジュエリーは?

木材を用いたハイジュエリーのアイテムですね。革命とは言わないまでも、これはメゾンにとって本当の意味での進化です。たとえば、木材の先端をとがらせてカットすることで、ダイヤモンドジュエリーにボリューム感がプラスされました。こうしたすべてがひとつになって別の新たなリズムを生み、メシカのジュエリーに新しい活力をもたらします。

今年のジュエリーコレクションでは、どんなトレンドが目立ちますか?

新しい着用法、とりわけスタッキングです。というのも、メシカでは、すべてが互いに完璧に調和し合うようデザインされているからです。メシカのリング、ブレスレット、ネックレスはすべて重ねることができ、それでいて過剰になることはありません。さらに、アシンメトリーのピアスがグローバルなトレンドとなっている中、シングルイヤリングも存在感を高めています。